ファストスロー(下)で得たライフハック(直感、油断、損失回避) 読書の記録 #60

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はじめに

前回の記事でファスト&スロー(上)のライフハックについて取り上げました。

今回は(下)の方から、自分が日常でも使えそうなライフハックをピックして記載します。

本はこちらです👇

前回の記事でシステム1とシステム2については記載したので今回は省きます。

直感を信用して良いか

よくドラマとかで刑事の勘ってありますよね。

ドラマではそういう勘が事件の糸口になります。

そういう勘ってそもそも実際は信用できるのでしょうか。

直感は短期間に嫌な体験から身につく場合があります。

例えば、とあるレストランでお腹を壊した記憶があれば、そのレストランには直感的に行きたくなくなります。

実体験が無くても、他人から教えてもらった情報などからも直感になり得ます。

でも上記でも書いたような刑事の勘とかって、長年勤めてきた、いわゆるエキスパートの人が持っている直感な訳です。

これはどうでしょうか。

人が自分の判断に自信を持つ時は、矛盾が無くすらすらと入ってくるストーリーです。

自分が知らないことはないものとして、自信過剰に陥ります。

このため、人々が自分の直感に対して抱く自信は、その妥当性の有効な指標にはならないとこの本では結論付けています。

つまり、自分の判断は信頼に値すると説く人は信用するなということです。

では、直感的な判断のもっともらしい妥当性は評価できないのでしょうか。

答えはNoで、妥当性は評価できます。

それはスキル習得の2つの基本条件を基に導きだせます。

以下の2つです。

  • 十分に予見可能な規則性を備えた環境であること
  • 長期間にわたる訓練を通じてそうした規則性を学ぶ機会があること

この2つを満たせるなら、直感はスキルとして習得できる可能性が高いと言えます。

だから、長年勤めてきた刑事の勘もあながちスキルとして信憑性がありそうです。

ちなみにこのエキスパートの直感ってスキルとしてどうやったら習得できるかなんですが、これは、質の高いフェードバックがすぐに得られる必要があります。

さらには、練習し実践する機会が十分にあるかによります。

そんな経験を積んできた刑事の勘はスキルとして磨かれているのかもしれませんね。

油断は楽観バイアスから

大きなリスクを「別に大丈夫っしょ」ってとるのは楽観バイアスから来ます。

リスクをとる人はたいてい自分の失敗する確率を過小評価した末に失敗します。

ただし、楽観的な性格にもいい面はあります。

それは、失敗してもくじけないことです。

しかし、過度な楽観主義は人をリスクテークに走らせます。

これは自信過剰の結果ともいえます。

楽観主義はメリットもあるので、過度にならなければ、その恩恵を享受できます。

ではこの過度な楽観主義を抑えるにはどうすれば良いでしょうか。

その方法としてこの本では以下のような「死亡前死因分析」という方法が挙げられていました。

  • 何かの重要な決定をする際、公表する前にその決定をよく知っている人たちに集まってもらう
  • この決定を実施した結果、失敗した未来を想像してもらう
  • その失敗がどのように失敗したのか5~10分でその経過を簡単にまとめてもらう

失敗するリスクが明確になっていい感じですね。

損失回避しようとして損失していないか

損失回避は現実の人々の意思決定が必ずしも合理的ではないことを示すプロスペクト理論の一つです。

損失回避の特徴は失うものは得るものよりも強く感じられることです。

以下のようなギャンブルをやってみたいと答える人は多くないらしいです。

  • 裏が出たら100ドル払う
  • 表が出たら150ドル貰える

期待値はプラスになるからよい条件にも関わらずです。(多くの人の場合、100ドル払うのと同じ確率で最低200ドル貰えるならそのギャンブルをやっても良いと答えるらしい)

つまり、損失回避傾向が強くなると、有利なチャンスですら断ってしまう訳です。

損失回避の影響は日常の以下のような場面などで見ることができます。

  • 輸送中の貨物が紛失しても実損しか補償されない
    • 心理的に「期待していた価値以上の損失を被った」と感じる
  • 大規模な改革はだいたい失敗に終わる
    • 「改革が成功すれば大きな利益が得られる」という可能性よりも、「失敗すれば現状より悪くなる」というリスクや損失を強く意識してしまう
  • ゴルフでバーディを狙う時よりパーを狙う時の方がより慎重にパットを打つ

損失に関しては絶対的な利益ではなく、ある基準をもとに利益や損失を評価していて、この基準が参照点と呼ばれる点です。

この参照点が損失回避に影響してきます。

上記で「失うものは得るものよりも強く感じられる」と記載しましたが、つまり、利益を手に入れようという動機よりも、損失を避けようとする動機の方が強いということです。

例えば、タクシー。

タクシーは雨の日の方が売り上げが多い。(雨の日は傘をさしての移動は億劫になるから)

なので、雨の日に多く働いて、晴れた日に休暇を取るべきなのは理にかなっているわけです。

でも、損失回避だと逆のことが起こります。

タクシーの運ちゃんにとっての参照点は売り上げ目標です。

この売り上げ目標が基準となって、目標を達成できなかった場合は損失なので、その基準のために晴れた日に損失を回避するために頑張って働くわけです。

そして雨の日は、目標を達成したら、もう目標を達成したと思い、帰宅するわけです。

日常で損失回避で損するのはどんな時でしょうか。

以下例です。

  • セールで必要以上に購入してしまう
    • 店舗やオンラインで「50%オフ」などの大幅な割引セールを見たとき、「この機会を逃すと損をする」と感じ、必要以上に買い物をしてしまうことがある(Amazonプライムデーとか)
    • セールの前に持っていた「本来この商品にはこれだけの価値がある」という価格や割引率が参照点。この参照点が基準になって、割引がないと感じる損失を避けるために、不要な商品も購入してしまう。
  • 不満な商品を返品せずに我慢する
    • 買った商品が気に入らなかったり、期待にそぐわなかったりしても、返品の手続きが面倒だと感じ、そのまま放置してしまう
    • 購入時点では「この商品が役立つ」と期待する。その期待が参照点となり、実際に役立たないと分かっても返品する手間や、商品が手元にある状態から何も変わらないことを基に判断し、返品せずに我慢する
  • 値上げを予測して、必要以上に買いだめする
    • 商品の値上げや供給不足のニュースを聞いて、急いで商品を買いだめしてしまう
    • 現在の価格や在庫がある状況が参照点となり、それが失われること(値上げや供給不足)を「損失」として感じる
  • 今の仕事を辞められない
    • 現在の仕事に不満を抱いているものの、「仕事を辞めると収入がなくなる」「新しい仕事が見つからないかもしれない」といったリスクを恐れ、現状に留まり続ける
    • 今の仕事から得られている収入や生活の安定が参照点になり、新しい仕事に挑戦することで、その安定を失うリスクを「損失」として認識する
  • 株価の下落時にパニック売りをして損失を確定させる
    • 株式投資などで、購入した株の価格が下落すると、「さらに下がるかもしれない」という恐怖から、すぐに株を売却して損失を確定させてしまう
    • 購入時の株価が参照点となり、それより下回った場合を「損失」として認識する

まとめ

長くなるのでここまで。

「直感の信頼性」と「楽観主義で油断をしないこと」と「損失回避で損すること」について書きましたが、どれも気を付けていれば失敗を避けられるなと思いました。

これらを知っておくことで、いざその場に立った時に間違えた判断にならずに済みますね。

次回へ続きます。🎈

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