「言語化するための小説思考」を読んで小説を書くためのスキルを学ぶ #読書の記録(77)

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小説を書きたいという思いは、今年に入ってから強く思うようになった。

そして、小説も読むようになっていった。

そんな中、小川哲さんの小説を読んで、面白くて衝撃を受けた。

更に小川さんが、小説を書くときのことをまとめた本を出されていたことを知る。

これは読まないといけないという衝動にかられた。

という事で、今回紹介する本は「言語化するための小説思考」。

面白いと思わせる小説を書くために

他者のために書かれているかチェックする

小説に限らず、(他者に読まれることを前提として書かれた)あらゆる文章表現に共通しているのは、その文章の価値があるかどうかを決めるのは「他者」であるという点。

文章は「他者」のために書かれるべきで、自分を大きく見せるために書かれるべきではない。

このため、一つ一つの文章が「自分のため」に書かれていないかチェックすることが大事になってくる。

文章は自己表現ではるが、その自己表現に他者がどれだけ感心したかということも大切になる。

作者の頭の中に凄いテーマやイメージがあっても、想いや伝えたいことがあっても、他者がその文章にお金や時間を捧げるだけの価値があると思わなければ意味がない。

書く上でのルール

小説を書くにあたりルールはあって、そのルールに反すると面白くないと人に言われる。

その中でも「わかりやすく物語を書くこと」をルールとして重視する人は多い。

これは小説が他者のためにあるものであるからというのにも繋がるのでとても理解できる。

エンタメの読者と純文学の読者ではルールが異なることもある。

例えば、途中でいなくなった登場人物が主人公のピンチの際に駆け付けるというシナリオは「ご都合主義」なシナリオである。

この(適度な)ご都合主義はエンタメでは許されるし、場合によっては推奨されたりする。

でも、純文学ではご法度であり、場合によっては2度と読まないと思われてしまうこともあるらしい。

知らない世界を知っている世界のように書くために

小説家は知らない世界に住んでいる、知らない人の話を書く。

しかし、人間は知らないことについて書くことはできないし、想像できないことを想像することはできない。

では、どうすればいいのか。

それには、抽象化をして、個別化をする。

自分の目でしっかりと世界を見て、見えた世界を抽象化し、別の世界に置き換えて個別化する。

そして、この抽象化と個別化が上手く働くと、読者が「この小説は私について書かれている」と感じ、体験を抽象化し、抽象化した構造を個別化する作業に成功している。

これによって、普遍性を獲得できる。

読者は多種多様であり、その人たちの中に共通項を見つけ共感を得る必要がある。

ただ、読者は全て人間なので、どこが重なるところなのか、重ならないことなのかを見極める必要がある。

そのための抽象化⇒個別化なのだと思う。

情報の一次元化

体験は視覚、聴覚、嗅覚などの五感や、頭の中に考えたこと、時間軸で言うと過去の思い出など、多次元で構成される。

一方で、小説はこれらの体験を一次元で表現しなければいけない。

そのため、これらの多次元情報を一次元に並べる際に、順番を決める必要がある。

そして、「順番を決めること以上に重要な要素はない」と本書で筆者は述べている。

情報の順番は小説という空間の立ち上げ方を定め、書き手が生み出した小説空間に読み手をどのように招き入れるかを決めるため、非常に重要になる。

この順番により、視点人物と読者の情報量の差を最小化し読みやすい文章にしていく。

伏線を後から付ける

本書の筆者は伏線に関して、普段はプロットを作らずに小説を書き、「書いてしまった文章をいかにして伏線にするか」という発想で物語を構築されているようだ。

小説は「伏線と出来事」の連続によって成り立っているため、伏線は「出来事」で回収されて当然となる。

最初から面白いストーリーが発想することができなくても、小説が「象徴的で大きな出来事」と「象徴的で影響力の大きな出来事の伏線」で成立しているのであれば、「出来事」そのものを作品内で構築していく過程で、逆に伏線が生まれるという小説を書く書き方ができる。

面白くないアイデア と アイデアをどう生み出すのかについて

つまらないアイディアの理由は以下の2つ

  • ①専門性が高すぎるから
    • アイディアの面白さを理解するために必要な知識や文脈が多ければ多いほど、小説にするのは難しくなっていく
  • ②陳腐すぎるから
    • 誰でもわかる話にしようとすると、アイディアは陳腐化する。
    • 「日本はこれから〇〇するべき」や「現代の若者は〇〇だ」などはほとんど小説のアイディアにはならない。多くの人が興味をもっていそうな分野に自分の意見を言おうとすると陳腐な主張しか出てこないから。

しかし、一人の人間が発送できるアイデアはどこかの誰かが思いつくことはできる。つまり陳腐化してしまう。

そして、自分しか思いつかないアイデアを追求すると専門性が強くなる。

ではどうすればいいのか。

著者は最初に考えるべきなのは「書いてみたいこと」や「考えてみたいこと」で、「主張」や「設定」は後から考えるべきと考える。

大事になのは「答え」ではなく、「問い」。

小説の面白さは、執筆の過程で必ず生まれてくる。

この面白さを逃さないのが大事。

小説が面白いと思うのは読者であり、面白いと思わせるにはその読者の物差しを分析できているかにかかっている。

だから、

  • もともと読者(他者)の物差しを内面化している
  • なるべく読者(他者)の物差しに合うように、自分の物差しを調整する

ができていると読者に面白いと思わせることができる。

この読者の物差しを分析する質を上げるためには、作品を発表することがいい。

発表することで、読者がどのように誤読し、どこを評価するのかがわかるし、自分が何を考えていて、何を書こうとしているかも少しずつ見えてくる。

大事になのは「答え」ではなく、「問い」と記載したが、その「問い」を見つけるために作品を発表する必要がある。

最後に

小説とはどのような事を書いても良いが、読者が面白いと思わせるためにはルールが存在する。

そのルールに沿って、自分の描き解対象を文字にしていけば、小説は書けるのではないかという希望を抱けた。

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