どんなにお金を持っていてもお金を失う現象
ヴァンダービルド一族を知っていますか?
実業家、コーネリアス・ヴァンダービルド (1794~1877)は鉄道と海運業で生涯1億ドル以上の資産を築き上げた人です。
しかし、1973年の時点で彼の子孫たちの中に億万長者は一人もいなかったそうです。
ここには「ライフスタイル・クリープ」という現象が絡んでいます。
「ライフスタイル・クリープ」とは、収入が増えた時に、その分だけ生活のレベルをあげようとする現象です。
この現象はまわりに見栄を張りたいという思いが原因となっていることが多いです。
自分の驕りと欲によって自分の資産を失う、なんとも皮肉な話ですね。
(参考:「JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則」)
以前、記事にした「魂の退社」でも書きましたが、年収に合わせて生活レベルを上げていくと、負のスパイラルに陥る可能性が大いにあります。
「給料が入る」→「給料に見合った生活をする」→「自分の置かれている生活に慣れる」→「給料が入る」→…
というスパイラルですね。
でも、お金を使うことは大事だ
しかし、貯金をし続けることが大事なのでしょうか。
僕はそうは思いません。
以前、記事にした本、「DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール」にも書いてある通り、お金をたくさん持ったまま死んでも意味ないからです。
死の間際、もっといろんな経験をしておけばよかったと思うだけです。
大切なのは自分が何をすれば幸せになるかを知り、その経験に惜しまず金を使うこと。
当然、それは人によって違う。
しかし、何に自分が幸せを感じ、どんな経験に金を使うのが有益化を判断するのは難しく、それは、人生を通じて変わっていく。
よって時間と金を最大限に活かすにはタイミングが大事。
人生の充実感を高めるのは「そのときどきにふさわしい経験」
時間と金という限りある資源を「いつ、何に使うか」
DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール
そして、「JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則」では収入がアップしたら、どれだけ生活レベルを上げてよいかを示してくれています。
収入が上がった際にどれぐらいの生活レベルを上げてよいか
この本曰く、どれぐらいの生活レベルを上げてよいかどうかは現在の貯蓄率が大きく影響するといいます。
そこには、年収や収入アップ率は関係しないと言います。
以下がこの本に載っている、現在の貯蓄率(年収に対する割合)と収入アップ分を貯蓄するべき割合です。
現在の貯蓄率(年収に占める割合) | 収入アップ分を貯蓄するべき割合 |
5% | 27% |
10% | 36% |
15% | 43% |
20% | 48% |
25% | 53% |
30% | 59% |
40% | 66% |
50% | 74% |
ここからは年収の20%を貯蓄している人であるならば年収アップの48%を貯蓄する必要があり、逆に年収アップの52%を使用して良い事になります。
ただ、年収アップに対する適切な貯蓄率の割合を求めるには複雑な計算式が必要らしいので、世の中のほとんどの人が収入の10~25%を貯蓄しているとすると、目安としては昇給額の50%を貯金すると良いとこの本では書いてありました。
お金を持っているから不幸になる訳でなく、欲があるから不幸になる
また「JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則」では宝くじの高額当選をした、ジャック・ウィテカー氏についても書いてありました。
彼は米国史上最高額である3億14000万ドルに当選した男です。
しかし、最終的に賞金は全て無くなってしまいます。
お金だけならまだしも、家族も失っています。(気になった方はググってみてください。)
ただ、彼の場合、もともとお金を持っていたところがまた深いところです。
彼は宝くじを当てた時、1700万ドルもの資産を持っていたらしいです。
そこまでの資産をもってしても、まだお金を欲して、宝くじを買っていたわけです。
さらに欲するその欲がありすぎると、人は不幸になる訳です。(ある程度の欲は必要だと思います。)
ちなみに、宝くじはそれこそ”一攫千金”ということですが、ここには「ライフスタイル・クリープ」に加えて「ラチェット効果」も考える必要があります。
「ラチェット効果」とは「収入が減少しても消費はそれほど変化しない」という効果です。
一度に大金を得ても、定期的な収入が少なければ支出を増やすことに対して気を付けなければならないわけです。
で、これらを踏まえてやはり大事なのは、「ないこと」を知ることではないでしょうか。
これも「魂の退社」に書いてあったことです。
当然と言えば当然ですが、1億ドル以上も持っていれば、普通は生涯、なに不自由なく暮らせるわけですし。
欲と向き合い、適度な欲を持つことが大事になってきます。
僕もコスパと向き合っていきます。