統計検定を受けるにあたって、勉強したことをアウトプットとして残していこうと思う。
コーヒーショップの例を使う。
確率の基礎
事象と確率
事象とは何か
確率では、まず「何が起こるか」をはっきりさせる必要がある。
この「起こるかどうかを考える対象」を事象という。
たとえば、コーヒーショップで1人のお客さんが来店したとする。
- ホットコーヒーを注文する
- アイスコーヒーを注文する
- フードも一緒に注文する
- テイクアウトを選ぶ
これらはどれも事象である。
標本空間
起こりうる結果を全部集めた集合を標本空間という。
記号ではふつう $S$ や $\Omega$ で表す。
たとえば「来店したお客さんが注文するドリンク」が
- ホットコーヒー
- アイスコーヒー
- カフェラテ
- 紅茶
の4種類だとすると、標本空間は
$$\Omega = \{\text{ホットコーヒー}, \text{アイスコーヒー}, \text{カフェラテ}, \text{紅茶}\}$$
である。
確率とは
確率は、事象がどれくらい起こりやすいかを $0$ から $1$ の間の数で表したものである。
- $0$ は「絶対に起こらない」
- $1$ は「必ず起こる」
たとえば、過去のデータから来店客100人のうち40人がカフェラテを頼んでいたなら、
$$P(\text{カフェラテ}) = 0.40$$
と考えられる。
ここで $P(A)$ は「事象 $A$ の確率」を表す。
余事象
事象 $A$ が起こらないことを余事象といい、$A^c$ で表す。
たとえば、
- $A =$「フードも注文する」
- $A^c =$「フードは注文しない」
である。
余事象の確率は
$$P(A^c) = 1 – P(A)$$
となる。
例として、来店客のうち35%がフードも注文するなら、
$$P(A) = 0.35, \quad P(A^c) = 0.65$$
である。
和事象と積事象
2つの事象 $A, B$ について、
- $A \cup B$ は「$A$ または $B$ が起こる」
- $A \cap B$ は「$A$ と $B$ の両方が起こる」
を表す。
コーヒーショップを例にすると、
- $A =$「テイクアウトである」
- $B =$「フードも注文する」
とすると、
- $A \cup B$ は「テイクアウトまたはフード注文」
- $A \cap B$ は「テイクアウトかつフード注文」
である。
排反事象
2つの事象が同時には起こらないとき、それらを排反という。
たとえば、1杯だけドリンクを選ぶお客さんについて
- $A =$「ホットコーヒーを注文する」
- $B =$「アイスコーヒーを注文する」
なら、同時には起こらないので排反である。
排反であれば
$$A \cap B = \varnothing$$
したがって
$$P(A \cup B) = P(A) + P(B)$$
となる。
加法則
一般には、2つの事象 $A, B$ が重なることがある。そのときは重なった分を二重に数えないようにする必要がある。
そのルールが加法則である。
$$P(A \cup B) = P(A) + P(B) – P(A \cap B)$$
コーヒーショップを例にすると、ある日の来店客について
- $A =$「テイクアウト」, $P(A)=0.50$
- $B =$「フードも注文」, $P(B)=0.30$
- $P(A \cap B)=0.12$
とする。
このとき、
$$P(A \cup B) = 0.50 + 0.30 – 0.12 = 0.68$$
つまり、テイクアウトまたはフード注文のどちらかに当てはまる客は68%である。
包除原理
加法則を3つ以上の事象に広げたものが包除原理である。
3つの事象 $A, B, C$ については
$$P(A \cup B \cup C) = P(A) + P(B) + P(C) – P(A \cap B) – P(A \cap C) – P(B \cap C) + P(A \cap B \cap C)$$
となる。
最初に全部足し、重なりを引き、3つ同時の部分を最後に足し戻している。
例で実際に見ていくとする。
コーヒーショップにて、ある来店客について次の3つを考える。
- $A =$「コーヒー系ドリンクを注文する」
- $B =$「フードも注文する」
- $C =$「テイクアウトである」
この時、
- $P(A)=0.70$
- $P(B)=0.30$
- $P(C)=0.50$
- $P(A \cap B)=0.20$
- $P(A \cap C)=0.35$
- $P(B \cap C)=0.12$
- $P(A \cap B \cap C)=0.08$
なら、
$$P(A \cup B \cup C) = 0.70 + 0.30 + 0.50 – 0.20 – 0.35 – 0.12 + 0.08 = 0.91$$
となる。
この時、以下のように図が描ける。

- 3つの円が全く重ならない部分(Aのみ・Bのみ・Cのみ)は、それぞれの確率がそのまま該当する
- 2つの円だけが重なる部分(A∩Bのみ・A∩Cのみ・B∩Cのみ)は、加法則の $-P(A \cap B)$ などで一度引かれる
- 3つとも重なる中心部分($A \cap B \cap C$)は、2つ組の引き算で3回とも引かれてしまうため、最後に $+P(A \cap B \cap C)$ で1回分だけ足し戻す
