はじめに
以前、Netflixを知ろうと思ったことがあり、本を数冊買った。
それらの本を一気に読んだので、その第3弾としてこの記事を書く。
3冊目は「NETFLIX コンテンツ帝国の野望 :GAFAを超える最強IT企業」
本書は独自取材によって集められた、2004年~2010年の取材内容をもとにして記載されいてる。
インタビューをした人は100人以上に上り、Netflixの創業からの社内で起きたことを知ることができる。
また、かつてNetflixの前に立ちはだかった競合であるブロックバスターの活動内容もかなり細かく記載されているので、2社の競争がどのように行われていたかも知ることができる。
この記事ではNetflix側の内容を記載していくものとする。
1998年:創業
Netflixは98年春にウェブサイトとバックエンドシステムが完成した。
顧客はオンライン上で映画の在庫を検索して、注文できる。
ただ、最初のウェブサイトはしょぼかった。
スタートはいつだってそういうものだ。
98年にNetflixは100万ドルの赤字を計上。
これは予想外のことでは無かった。スタートアップとしてはとりわけ大きな赤字幅でも無かった。
しかし、手元資金は劇的に減少していた。
例えば、ネトフリはDVDレンタルサービスをしていたが、このころの収益を圧迫している主因の一つは注文処理・発送プロセスで、注文1件当たりの人件費、発送費、郵便代は合計6ドルに達しており、目標は2ドルに減らすこととなっていたが、独自コストを開発し、自動化を行い、目標の2ドルまで減らすことができた。
さらには翌日配達可能なハブを設けた。
そして、郵便局の配達データが入ったCDをハッキング、プログラムを作成した。
このプログラムによって、顧客の住所から地区集配センターにできるだけ近い場所に物流センターを設置できた。
その後、Netflixは急成長はしていたが、赤字幅は1998年の110万ドルから99年には2980万ドルへ拡大していた。
2000年~:シネマッチとIPOのための大量解雇
2000年1月にはシネマッチというレコメンドエンジンをローンチした。
レコメンドエンジンは顧客維持に役立つ。
顧客を人気作から遠ざけ、忘れ去られた旧作へ案内する効率的活用に繋がるからだ。
2000年以降、ドットコムバブルが弾けたことによってNetflixのIPOは先送りになった。
しかし、NetflixのIPOをするうえで障害になっていたのは現金ではなく、見掛けだったと経営幹部、バリー・マッカーシーは見ていた。
見掛けとは具体的には
- ①人員カット
- ②現金を無駄に使わない
- ③ブロックバスターやウォルマートの攻勢を跳ね返せるほどの身軽でスピーディ
というような要素を兼ね備えていることを示す必要があった。
そもそも誰もやったことがない。IPOを行うならばわかりやすく人員をカットせざるを得ないとの結論に至った。
また、CEOのリード・ヘイスティングスはNetflixの使命として3つ挙げた。
- ①世界最高のエンターテインメント事業を築き上げること
- ②消費者の手元に好みの映画が届くように手助けすること
- ③ライバル会社との競争に勝つこと
このような使命を達成するためにはコストを削減しなければならず、そうすることでIPOの道筋も見えてくる、ということだった。
その結果、IPOに際して、スタッフの4割の大量解雇が行われた。
今のネトフリへ
2005年ブロックバスターのDVDオンラインレンタルサービスである、ブロックバスター・オンラインは活気づいていた。
その一方で、Netflixはインディー映画など質の高い低予算映画へ積極的に投資し始めた。
そうすることで、大ヒット作に傾斜するブロックバスターと差別化できると読んでいた。
低予算のインディー映画の多くは映画祭で上映されるだけで、劇場公開されないままになってしまう。
低予算映画の制作者側にしてみればNetflixと組むメリットは大きかった。
2006年ごろにはNetflixのマーケティング戦略は「消費者との感情的繋がり」から「消費者との合理的な繋がり」へ変わっていく。
その中で、成功のカギとされたのは最高のソフトウェア、論理的なユーザーインターフェイス、圧倒的な品ぞろえとなっていった。
2007年にはNetflixの市場調査チームは顧客からのフィードバックの中に勝利の方程式を見出した。
ストリーミングで映画鑑賞中の顧客行動を観察すれば、鑑賞中に顧客が何を考えているのかリアルタイムで把握できるという事が判明したのだ。
視聴者はどのシーンでストップボタンを押して巻き戻したのか?好きでない映画を選んでしまったときにどれくらいの時間で見るのをやめるのか?一時停止ボタンをどこで押したのか?
ネトフリは映画評価システムに頼らなくても顧客の好みを把握できるようになった。
これからのネトフリへ
一気見のネトフリへ
Netflixのグループインタビューによると、視聴者は一気見によって高揚感を得る。
何時間もぶっ続けでドラマを観ていると、ネトフリブランドに惚れ込むことになる。
これはネトフリがドラマを短いスパンでUnlimitedとして、一気見できるような長さで提供しているのも納得がいく。
テレビドラマのようにいつ終わるかもわからず長々と進めることにはならない。
「ネットフリックス効果」
さらに、ドラマに関しては「ネットフリックス効果」というものがある。
これはネトフリが放送済みの古いエピソードをストリーミング配信すると、ドラマは大きな反響を呼んで、過去の全シリーズを一気見する契約者が続出する現象ことである。
その後、テレビで続編エピソードが放送すると、彼らはそれを視聴し、視聴率が跳ね上がる。
例えば「ブレイキング・バッド」や「マッドメン」だ。
ビッグデータの活用
Netflixは無数のデバイスから送られてくる膨大な顧客データを蓄積し、ライバル勢よりも圧倒的に有利な立場となった。
どのように映画を探しているのか?とか
どこで見ているのか?とか
何時に見ているのか?とか
、、、
契約者の視聴パターンを細かく把握できるようになった。
ここからNetflixは個々の契約者について複雑なプロフィールを作り上げた。
ビッグデータとアルゴリズムを駆使すれば、契約者の好みや行動がどのように変化していくのかを驚くほどの精度で予測できる。
このデータを基に次はコンテンツ制作を実施していく。
ベテランプロデューサーの直感や過去の常識に縛られず、ビッグデータを信じて監督や俳優を選ぶことを基本にした。
海外展開を加速させていたため、海外の契約者の好みに合ったコンテンツを製作していくうえでもビッグデータを全面活用した。
消費者たちが市場で思う事とネトフリの動き
2015年、市場環境は変化しており、消費者は以下のような思いを抱いていた。
- アラカルト的に質の高いコンテンツを個別に買いたい
- テレビドラマの中に自分自身と同じような人間を見出して感情移入したい
- いつどこで見るのかはもちろん、どのデバイス上で見るのかも自分で決めたい
Netflixは目先の利益よりも成長を優先する典型的IT企業であり、2018年までにコンテンツに130億ドル投資していて、この内85%をオリジナルコンテンツへ回す策定をした。
一方で、アメリカ全体で制作されたテレビドラマシリーズは2018年に500本以上に達し、過去10年間で3倍になっている。
これは間違いなく供給過多だ。
ヘイスティングスの未来予測としては2030年には地上波テレビの時代は終わるとみていて、それ以降はインターネットテレビの時代が100年以上続くとみている。
最後に
ネトフリはちゃんと差別化を狙ってビジネスを展開しているんだなーって思った。
コンテンツの供給過多になっている時代に次はどのようなビジネス展開をするのか楽しみです。

