統計検定を受けるにあたって、勉強したことをアウトプットとして残していこうと思う。
コーヒーショップの例を使う。
確率の基礎
条件付確率
ある情報がわかったあとで確率を考え直すことがある。
これが条件付確率である。
事象 $B$ が起こったとわかっているもとで、事象 $A$ が起こる確率を $P(A \mid B)$ と書く。
読み方は「$B$ が起こったもとでの $A$ の確率」である。
定義は
$$ P(A \mid B) = \frac{P(A \cap B)}{P(B)} \quad (P(B) > 0) $$
である。
例えば、
- $A =$「フードも注文する」
- $B =$「テイクアウトである」
として、もし、
- $P(B)=0.50$
- $P(A \cap B)=0.12$
なら、
$$ P(A \mid B) = \frac{0.12}{0.50} = 0.24 $$
つまり、テイクアウトする客という条件の下では24%がフードも注文することになる。
独立
2つの事象が互いに影響しないとき、独立という。
事象 $A, B$ が独立であるとは、 $P(A \cap B) = P(A)P(B)$ が成り立つことをいう。
これは、条件付確率の定義に独立性の考え方を代入すると求められる。
条件付確率の定義は、$P(A \mid B) = \frac{P(A \cap B)}{P(B)}$だった。
独立とは「$B$ が起きたと知っても $A$ の確率が変わらない」ことなので、$P(A \mid B) = P(A)$ をこの定義に代入すると、
$$P(A) = \frac{P(A \cap B)}{P(B)}$$
両辺に $P(B)$ をかければ
$$P(A \cap B) = P(A)P(B)$$
となるわけである。
同値な見方として、 $P(A \mid B) = P(A)$ も使える。
つまり、$B$ が起きたという情報を知っても、$A$ の確率が変わらない。
例:
サイコロを2回振るとして、
- $A$ = 「1回目に1の目が出る」
- $B$ = 「2回目に4の目が出る」
1回目の出目が何であっても、2回目の出目には一切影響しない。これが独立ということである。それぞれ
$$P(A) = \frac{1}{6}, \quad P(B) = \frac{1}{6}$$
なので、
$$P(A \cap B) = P(A) \times P(B) = \frac{1}{6} \times \frac{1}{6} = \frac{1}{36}$$
となる。(コーヒーショップでの例が思いつかなかった)
ベイズの定理
条件付確率を入れ替える公式がベイズの定理である。
ベイズの定理は以下の式で表される。
$$ P(A \mid B) = \frac{P(B \mid A)P(A)}{P(B)} $$
この式の各部分は以下の意味となる。
- $P(A)$: 何も情報がない段階で持っていた「$A$ である確率」についての見込み(事前の見込み)
- $P(B \mid A)$: もし実際に $A$ だったとしたら、いま観測した情報 $B$ がどれくらい起こりやすいか
- $P(B)$: $A$ かどうかによらず、そもそも情報 $B$ 自体がどれくらい起こりやすいか(基準になる確率)
- $P(A \mid B)$: 情報 $B$ を観測したあとで、見込みを更新した「$A$ である確率」(事後の見込み)
つまりベイズの定理は、
$$(\text{更新後の見込み}) = (\text{もとの見込み}) \times \frac{\text{その見込みのもとで } B \text{ が起こりやすい度合い}}{B \text{ がそもそも起こりやすい度合い}}$$
という構造になっている。
「$P(A)$ という「元の見込み」に、$B$ という新しい情報が持つ手がかりの強さ $\dfrac{P(B \mid A)}{P(B)}$ を掛け合わせることで、見込みを $P(A \mid B)$ へと更新している」
と読むとわかりやすくなるかもしれない。
公式を暗記しないようにするために①:条件付確率の定義から求めるやり方
条件付確率の定義から
$$P(A \mid B) = \frac{P(A \cap B)}{P(B)}$$
である。
一方で、
$$P(B \mid A) = \frac{P(A \cap B)}{P(A)}$$
なので、これを変形すると
$$P(A \cap B) = P(B \mid A)P(A)$$
となる。
この式をさきほどの
$$P(A \mid B) = \frac{P(A \cap B)}{P(B)}$$
に代入すれば、
$$P(A \mid B) = \frac{P(B \mid A)P(A)}{P(B)}$$
が得られる。
公式を暗記しないようにするために②:長方形の面積から求めるやり方
こちらは例を含めて説明する。
- $A =$「その客は常連客である」
- $B =$「モバイル注文を使った」
としたときに、
- $P(A) = 0.40$ ・・・全来店客のうち、常連客の割合
- $P(B \mid A) = 0.60$ ・・・常連客のうち、モバイル注文を使う割合
- $P(B \mid A^c) = 0.20$ ・・・常連客でない客のうち、モバイル注文を使う割合
という状況を考える。
まず、全体の合計(面積)は1の正方形が考えられる。
$P(A) = 0.40$とすると、常連客じゃない割合は0.60になる。
とすると、以下のように表せる。

そして、常連客の中でモバイル注文を使う割合の高さが $P(B \mid A)=0.60$となる。

よって、共通部分 $A \cap B$ の面積は$0.40 \times 0.60 = 0.24$となる。

$P(B)$ はまだ求めていないので、常連客でない客の列も同じように計算する必要がある。
- 常連客でない客の部分の幅が $P(A^c)=1-0.40=0.60$
- そのうちモバイル注文を使う割合の高さが $P(B \mid A^c)=0.20$
なので、この部分の面積は
$0.60 \times 0.20 = 0.12$
である。

モバイル注文を使った客は、常連客の列($0.24$)と常連客でない客の列($0.12$)を合わせた部分で、$P(B) = 0.24 + 0.12 = 0.36$

この領域($B$)の中で、常連客が占める割合が $P(A \mid B)$ である。
したがって、
$$P(A \mid B)=\frac{0.24}{0.36}$$
となり、
$$P(A \mid B)\approx 0.667$$
と求められる。
条件付独立
2つの事象 $A, B$ が、ある事象 $C$ を固定したもとで独立になることがある。これを条件付独立という。
定義は以下。
$$P(A \cap B \mid C) = P(A \mid C)P(B \mid C)$$
例えば、以下の状況を考える。
- $A =$「アイスドリンクを注文する」
- $B =$「テイクアウトである」
- $C =$「気温が高い日である」
暑い日には、アイスドリンクもテイクアウトも増えるかもしれない。
そのため、全体だけを見ると $A$ と $B$ は関係があるように見える。
しかし、暑い日だけに限定して見ると、「アイスドリンクかどうかとテイクアウトかどうかがほぼ独立」ということもありえる。
このように、条件 $C$ を固定すると独立になるのが、条件付独立である。
