今回は「予想通りに不合理 行動経済学が明かす『あなたがそれを選ぶわけ』」をまとめてみました。
「これを買ったら一つ無料」って謳い文句のサービスに惹かれてつい購入したことなんかはありませんか?それが本当に自分が欲しいものならいいんですが、別に要らないものなら損ですよね。
そうなんです。人間って合理的に生きるようにしても、意外なところで不合理にな行動をとってしまうことがあるんです。
今回はそんな行動経済学の本をまとめてみました。
今回まとめる本👇(Amazonへのリンク)
予想どおりに不合理: 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
🤩この記事のゴール
「予想通りに不合理 行動経済学が明かす『あなたがそれを選ぶわけ』」をアウトプットすることで理解を深める。
今後の購買活動の注意点として自分の中に落とし込む。
この本を読むとこうなれる📕
行動経済学に基づいた不合理な行動をとらずに済むようになる。
この本の概要📕
人間は自分では合理的だと思っていても行動は「不合理」。
本書はノースカロライナ大学チャペルヒル校で認知心理学の修士号と博士号、デューク大学で経営学の博士号を取得した著者が実験の中から人間の不合理さを紐解いていく。
こんな人におススメ🙋♂️
お金の出費が多い人。
ついつい無駄なものを買ってしまう人。
個人的なポイントまとめ✨
個人的に印象に残ったポイントを引用させていただきつつまとめていきます👇👇👇
🔹相対的に価値を判断しがち
人間はものごとを絶対的な基準で決めることはまずない。ものごとの価値を教えてくれる体内計が備わっていない。ほかのものと相対的な比較をしすることで価値を判断する。
(例えば、$60のウェブ版が$120の印刷版に比べて得なのかが分からないとしても$120で印刷版とウェブ版をセットで購入する方が$120の印刷版だけを買うより得だというのははっきりわかる)
これはまず大半の人は自分の求めているものが何かわからずにいて、状況と絡めて見た時に初めてそれが何であるかを知る。(例えば自分がどんなスピーカーを欲しいのかは今持っているものより音のいいスピーカーを聞いて知る。)
そして相対的に選択する。なんでも比べるだけではなく、比べ易いものだけを一生懸命に比べて、比べにくいものは無視する傾向にある。
🔹比較はアンカーを基準にされる
同じカテゴリーの別の物にいくら出すかは最初にこの値段で買おうと決めた価格(アンカー)との比較で判断される(値札自体はアンカーではない。自分が購入を決めた価格そのものがアンカーとなる)
🔹アンカーは習慣化によって解決できる
もし人間が偶然とった最初の行動のアンカーによって基準が決まってしまっているならこの基準によって不合理な行動が起こるのは理解できるが、改善はできるのか。答えはYes。まず自分の習慣に疑問を持つところから始める。次にこの習慣からどれだけの満足を得られるかを自問してみる。
🔹過去の決断の一貫性を維持したくなりがち
人がそれまでの価格を覚えていて値段が上がったことに気づけば、値段の変化は需要に大きな影響を与えることになるかもしれないが、過去の値段を覚えていなければ、値段の変化による需要の影響はわずか。このように値段の変化に対して我々が示す反応度合いは本当の選好や需要の度合いの反映とは関係なしに過去に支払った金額の記憶と過去の決断との一貫性を維持したいという願望に依存する部分が大きい可能性がある。
🔹重要な決断の時は正当化しがち
自分の決断が直感から来ている場合、我々はその決断が合理的に見えるように仕立てたくなる。とくに重大な選択をするときは、自分の判断が理にかなったものだと思いたいがために、必要以上に頭を使って正当化しようとする。
🔹ゼロの罠
例えば、無料のものを一つもらうために長時間並んだり、3つ目が無料だから2つ無理に買ったりすることがある。
無料の葛藤が生じる時にこの罠に陥りやすい。こうなると無料の言葉に釣られて本来自分が欲しかったものとは違うものを選んでしまう事が起こったりする。
🔹市場規範と社会規範について
お金の話がでると人は市場での収入に比べてこの提示金額では足りないとかいう考えをする(これは市場規範による適用のため)。しかし、お金抜きで頼まれると、社会規範が適用され、進んで自分の時間を割く気になる。これは考えの中にいったん市場規範が入り込むと、社会規範が消えてしまうことによって起こる。
社会規範があれば、人は無料なら喜んで働き、市場規範の介入があっても相応の賃金が出るなら喜んで働く。しかし、ほんの少しの金額を支払うというと断ってしまう。これはプレゼントでも同じことが言える。プレゼントを提示して働いてもらうと市場規範が介入しないので働く気にできるが、プレゼントの値段を口にした途端断られる。
🔹フレックスには社会規範を
フレックスのような労働時間をあいまいする企業には社会規範がとてもに役立つ。社会規範によって従業員は熱心で勤勉になり、順応力も意識も高まる傾向がある。社会規範は従業員に忠誠心を抱かせてやる気を起こさせるのに効果的な方法の一つ。特に医療給付、医療保障が社会規範として示すにはよいもの。
社会規範が自分たちの評価をはるかに超える大きな効果を社会に対してできるものだと心に留めておくこと。
🔹仕事に対する市場規範と社会規範
仕事に誇りを持っている従業員は幸福感や目的意識を抱いているが、市場規範によって社会規範が蝕まれることがあるのと同じように、人が職場で感じる誇りや意義も市場規範によって損なわれる危険性がある。
何かが社会のもの(共同のもの)になったとたんに、人は社会規範の領域へといざなわれ、他社と共有するための決まりごとに従うようになる。
値段がゼロで社会規範が問題になっている時、人々は世界を共同体としてとらえる。よって値段を持ち出さない事こそが社会規範をもたらし、その結果、社会規範によって他者のことをもっと気にかけるようになる。
🔹Eメール中毒にならないように注意
Eメールはギャンブルのよう。ほとんどのメールはジャンクメールで、スロットマシーンのレバーを引いて負けるようなものだが、たまに自分が欲しかった、もしくは重要なメールがある。そのような思いがけない喜びをより求めることでチェックせずにはいられないようになる。
🔹不合理で奇妙な癖と罠
①自分がすでに持っているものに惚れ込んでしまう事。
👉例えば、自分の持っているものを売るというとき、ためらってしまう。
👉お試しパックとして高めのプランに入ってしまうと所有権を求めるようになってしまうので注意。
②手に入るかもしれないものではなく、失うかもしれないものに注目してしまう事。
👉例えば、自分の持っているものを売るとき、売って得るお金の事よりも売るもの(失うもの)に注目する
③他の人が取引を見る視点も自分と同じだと思い込んでしまう事。
👉自分が売ったものの良いポイントを相手も知っていると思ってしまう。
以上から一旦、所有物を変えてしまうと、並大抵のことでは元に戻せなくなる。所有意識によって見方が変わってしまうから。これによって以前持っていた物に戻ることが損失に思えてしまう。これにより生活の質を上げてしまって、必要ならいつでも低い水準の生活に戻れると思っている。しかし、現実は戻れない。
🔹人は楽観視しがち(大丈夫だろうと思いがち)
自分の所有物を過大評価してしまう傾向は人の基本的な偏向で、自分自身に関係のあるものすべてに惚れて、過度に楽観的になってしまう。
自分が人並以上だと思っていないだろうか。定年後の生活も困らないだろう、健康も悪くならないだろう、離婚もしないだろうなどなど…etc.と思っていないだろうか。 心理学ではこれを「ポジティブバイアス」、または「レイク・ウォービゴン効果」という。
(🤔これは常に意識して気を付けていかないといけないポイントですね。)
人は時として他人に何か印象を与えるために、消費行動から得られる快楽を犠牲する。人が食べ物や飲み物を注文するとき、目標は2つある。自分が最も楽しめるものを注文する事。そして、仲間に好感を持たれるように自分を表現する事。ここで独自性の欲求が強いと、仲間に好感を持たれようとして自分の頼みたくないものを頼んでしまう。(例えば注文をするとき、一緒に食べる誰かが頼んだものと同じものを頼むことに躊躇してしまう)
自分が出した決断も、自分が進む人生の進路も自分がコントロールしていると考える。しかし、そうではなく自分をどんな人間と思いたいという願望に過ぎない。
😎まとめ
今回は「予想通りに不合理 行動経済学が明かす『あなたがそれを選ぶわけ』」のポイントについて書いてみました。
僕は財布のひもは固いのですが、お金だけじゃなくて、行動に関しても本書の内容を知っておくとよりよい判断をして生活の質が上がるのではないかと思いました。
知っているのと知らないのでは結構差が生まれると思いますね!
今日はここまで。最後まで読んでいただきありがとうございました。