■「決断を誤らないための3つのポイント」(読書記録 #34:『賢い人はなぜ決断を誤るのか?』)

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有能な経営者やリーダーが大きく誤った決断を下すときがあります。

十分な警告があったのに、他の経営者が犯したミスを繰り返すのであれば、そのCEOは深刻な欠陥があるはずだというのはもっともな意見と思いますよね。

しかし、信用のある大企業でCEOになる人は、何十年も勤勉に働き、素晴らしい実績も残してきたからこそそのポジションにいるのがたいていなので、失敗したCEOを無能だとか、頭がおかしいと見なすのはおかしな話なわけです。

とすると、悪い意思決定は無能なリーダーによって下されるわけではなく、普段は健全で正しい動機で行動している人がその決断をしているということです。

では、なぜこんなことが起こるのでしょうか。

今回は「賢い人がなぜ決断を誤るのか?」という本を読んでみたので、まとめてみました。

この本では戦略的意思決定の際に陥りがちな意思決定の罠を提示し、

その罠によって引き起こされるバイアスを正すことが必要と主張しています。

そして、どうすれば正せるかと言う問いに答えることがこの本の目的です。

この記事をよむと分かること

この記事を読むと以下の事が分かります。

✅意思決定の際に陥る危険性のある罠が分かる

✅組織意思決定を誤らないための要素を知れる

✅組織意思決定を誤らないための方法そ知れる

それでは具体的に見ていきます。

まずは知ることからです。

決断を誤る原因となる罠について見ていきましょう。

決断を誤る原因(バイアス)

決断を誤る9つ罠があります。

それらを知っておくことは、決断を誤ることを避けるための大きな武器になります。

9つの罠は以下です。

  • ストーリーテリング
  • 模倣
  • 直感
  • 自信過剰
  • 惰性
  • リスク認知
  • 時間軸
  • 集団思考
  • 利益相反

それぞれ見ていきます。

ストーリーテリング

誰かから良くできた話を聞かされると、人はそれを裏付ける要素を探し出しがちという罠です。

つまり、それを事実だということを証明できることを探しがちだということです。

語られたストーリーの反証を探そうとはしないで、それを証明しようとする(裏付ける)情報を探してしまうということです。

特に、ストーリーが自分たちの望む内容であれば、さらにこの罠の効果は強くなります。

模倣

とある個人(例えばカリスマ的なビジネスリーダー)を模倣する際に陥る罠です。

模倣の対象となるモデルを求めるあまり陥りがちなミスが3つあります。

  • ①企業の成功をすべてモデル1人の貢献によると考える
  • ②モデルの行動の全ての側面を成功の理由とみなす
  • ③そのモデルを真似るべきだと早合点する

自分たちでも気づかないほど自然に、成功(または失敗)の原因を特定の個人、その人の選択、その人の個性に求めてしまいがちなのです。

直感

自分の直感に自信を持ってしまう罠です。

直感を信じてよい時は以下の条件を満たした時です。

  • ①同じ原因が同じ結果に繋がりやすい高い妥当性があること
  • ②長期にわたる実践経験と、迅速かつ明確なフィードバックを通じて、その状況について十分学んでいること

自信過剰

そのまんまですね、過度の自信を持つこと。

我々は他人より自分を高く評価しがちで、自分は大部分の人より優れていると思っています。

惰性

まずはそれを自覚するところからですね。

ただ、リーダーと言うのはたいてい成功を収めた人であり、そういう人の方が自信過剰になりがちなのは納得はできますね。

環境の激変に直面した時に惰性のまま進んでいき、失敗するというもの。

スピーディーに動くことが大切ですね。

リスク認知

リスクを認知するとリスクを避けようとすること。

本来、リスクをとらないと前進していかないにもかかわらず、リスクをとるのに躊躇します。

時間軸

長期のスパンで見た成長のための投資を避けようとすること。

短期だけではなく長期で見た時の投資も心がけたいところです。

集団思考

適格な意見を持っている人物も、その集団の思考を優先し、自分の意見(疑念)に蓋をしてしまうことです。

利益相反

自分の利益のある方に行動しがちということで、利己的な行動なことになりがちな罠。

バイアスを正すためには

上記のように9つのトラップが意思決定する上で存在します。(それぞれのトラップの詳細については是非、本を読んでみてください)

これらの罠はバイアスによってもたらされ、それらのバイアスは克服するには限界もあるのが事実です。

しかし、組織は個々の人間の欠点を補うことができます。

組織なら、バイアスがより少なく理性的な意思決定を下せます。

で、そのためには協働プロセスがとても大事な要素になってきます。

協働によって1人の意思決定よりも複数人の方がバイアスを見抜きやすくなります。

適切なプロセスによって協働する人たちの洞察に基づいて行動することができます。

協働によって他者のバイアスは是正され、プロセスによってグループが集団思考に陥らなくなります。

協働は互いがバイアスに陥っていない監視役となることは分かりました。

では、適切なプロセスとは一体どんなものなのでしょうか。

次はそれについて触れていきます。

戦略的意思決定プロセスを設計する3つの原則

適切なプロセスを実現するための3要素は以下の3つです。

①対話

②異なる角度から物事を見る

③組織の意思決定のプロセスと文化に関わる力学

1つ目は「対話」です。

もちろん、対話ということが大事というのはよく言われることです。

対話はバイアスと闘うためには欠かせません。

2つ目は「異なる角度から物事を見る」ことです。

これによりバイアスは抑制されます。

そして多様な視点に対応するには謙虚な姿勢で臨むことが求められます。

そして最後、3つ目は組織の力学です。

これがしっかりしてないと、上記2つはすぐに崩れます。

まとめ

ということで、今回は意志決定をミスらないために

その原因、

解決要素、

具体的な方法、

をまとめてみました。

人間は無意識のレベルで物事を判断していることが多いので、当然、無意識レベルで間違えていることも多くあると思います。

ですので、このように文字でまとめられている本はとてもありがたかったです。

細かいところまで読み込みができる本なので、何度か読み込んで、いろんなところに活用していく事ができますね。

では今回はこの辺で。。。👋👋👋



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