”儲からない”社会問題について
皆さんは「儲からない」と分かっているのにビジネスをしようと思うでしょうか。
私はもちろん儲からないと分かっていながらビジネスをする勇気はありません。
しかし、「儲からない」とマーケットから放置されている社会問題(例えば、貧困、難民、過疎化、食品廃棄など)を対象にビジネス展開を行っている会社があります。
それがボーダレスグループです。
今回はこちらのボーダレスグループの活動が記された本を読んだので、「儲からない」前提の問題をどうビジネス展開していくかをまとめます。
今回読んだ本はこちら👇「9割の社会問題はビジネスで解決できる」です。
“儲からない”社会問題をビジネスで解決するためのポイントを5つ本書から挙げました。
なので、この記事では”儲からない”社会問題に対してもどのように取り組むべきかのポイントを知ることができます。
“儲からない”社会問題をビジネスで解決する5つのポイント
「儲からない」とマーケットから放置されている社会問題に対してビジネスをする5つのポイントは以下です。
- ビジネスを手段として用いる
- いかに付加価値を高められるかを考える
- 良質なアイディアを世界に広める工夫をする
- ソーシャルインパクトという指標を設ける
- スイミーのような組織を目指す
それでは一つ一つ見ていきましょう。
ビジネスを手段として用いる
「儲からない」社会問題はマーケットニーズはありません。
しかしマーケットニーズの有無ではなく、解決すべき社会問題があって社会起業家が起業するというシステムです。
その上で、利益が出るような工夫をしていきます。
普通のビジネスは利益がでるようなところから考えますが、社会起業家は問題が起点になっています。
よって、ビジネスは社会問題を解決するための手段に過ぎないということです。
ここが普通のビジネスの考え方と大きく異なっています。
いかに付加価値を高められるかを考える
社会問題があった上で、その上で利益が出るように工夫すると上記で書いたように、利益がでるための工夫が必要になってきます。
そこで問われるのがいかに付加価値を高められるかということです。
これが絶対条件になってきます。
通常の2倍のコストがかかるのであれば、2倍の価値をつけても成功するビジネスモデルをいかにデザインできるかがポイントになってきます。
良質なアイディアを世界に広める工夫をする
優れたソリューションアイディアがすでに存在しているにも関わらず、世の中に広まっていないケースがあるそうです。
素晴らしいソリューションがあれば社会問題解決に大きく貢献します。
だからこそ、広がることが重要なのですが、ボーダレスグループでは「身内化」という方法をとることで広げられるようにしています。
「身内化」の考え方は赤の他人でも「身内のような関係性」を作ることができたら、ノウハウを共有できるかもしれないという考えがもとにあります。
そのために「財布を同じ」にすることで、身内のような関係性を作れるようにします。
余剰利益を共通のお財布に入れて共有しているというのです。
ソーシャルインパクトという指標を設ける
売上や利益を追求することに目的をおいてしまうことで、「誰かの役に立ちたい」という思いは薄れていきます。
その原因は指標にあると著者は述べていました。
そこで、解決したい社会問題に対してどれだけインパクトを与えられたかを数値で表した「ソーシャルインパクト」という指標を設けています。
例えば「借金がなくなった農家の数」とかです。
グループ全体では社会起業家の数(=会社の数)だそうです。
スイミーのような組織を目指す
上記で述べたように社会問題を解決する手段としてビジネスを用いるため、解決しようとする社会問題の数だけ社会起業家が存在することになります。
数は多く、それぞれが自律した経営をしています。
一つ一つは小さくても、その分野では確かに光る社会ソリューションを生み出し、それぞれが孤立せず集まって、互いに協力し合うことで社会インパクトを出していくところを目指しているとのことです。
まとめ
今回は社会問題に取り組む会社の取り組み方をポイントを絞って書いてみました。
社会問題に対してビジネスを手段として用いる。
↓
そのため社会問題の数だけビジネス(会社)ができる。
↓
それぞれの会社では通常の2倍のコストがかかるのであれば、2倍の価値をつけても成功するビジネスモデルをいかにデザインできるかを考える
↓
アイディアを共有できるような体制としてお財布を共通化する
↓
売上や利益とは異なるソーシャルインパクトという指数を設ける
↓
互いに自律しながらもスイミーのような組織を目指す
と、儲からない問題に対してならではの方法ではないでしょうか。
その活動はとてもユニークでありながらとても社会に求められるものだと思います。
さらに具体的な取り組みは本に記載されています。
興味のある方は実際に是非本を手に取って読んでみてください!
また、社会問題に対して考えてみる機会を設けてみるのもいいかもしれないですね。
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