「NETFLIXの最強人事戦略」を読んで最強の人事戦略を知る #読書の記録(73)

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読書

はじめに

FANGと呼ばれる米国の巨大ネット銘柄群を指す言葉を御存じでしょうか?

Facebook、Amazon、Netflix、Googleの頭文字から取っています。

情報技術やビッグデータ等を活用して、生活や産業構造を大きく変える可能性を持つ企業群2015年頃から米国の株式市場で用いられています。(引用元

この4大企業の一角であるNetflixに焦点をあてて、本を読んでみました。

「NETFLIXの最強人事戦略~自由と責任の文化を築く~」

という本です。

Netflixは動画配信サービスに特化してここまで大きく膨れ上がりました。

その内側、人事戦略とはどうなっているのか気になったので今回はこの本の中から特に「おっ」と思ったところをまとめておこうと思います。

Netflixの人事戦略のポイント

ポイント①:従業員のやる気を上げる

会社とは人材によって成り立ちます。

だからこそ、人材がやる気になってくれるというのはとても大事な事です。

Netflixではどんなことをしているのでしょうか。

従業員にはもう力を持っているのだと思い出させ、力を存分に発揮できる環境を整えることです。

そうすれば、彼らは放っておいても目覚ましい仕事をしてくれます。

また、採用の時のポイントとしては、困難に立ち向かう事を楽しめるかどうかです。

Netflixは2001年に全従業員の約3分の1を解雇しました。

その後、仕事量は2倍に増えました。

それでも、残った社員は皆楽しそうだったそうです。

経営陣が従業員のためにできる最善のことは、一緒に働く同僚にハイパフォーマーだけを採用することです。

これはよくある、テーブルサッカーの台を設置したり、無料で寿司を提供したり、膨大な契約ボーナスやストックオプションを与えたりするよりずっと優れた従業員特典になり得ます。

以上を踏まえて、協力の組織の秘訣となるのは以下の3つです。

  • 優秀な同僚
  • 明確な目的意識
  • 達成すべき成果の周知徹底

オフサイトミーティング(組織の活性化を図るなどの目的で、社外で日常の喧噪から離れて行われ会議や催し)、パーティを企画して、仕事の半分がお楽しみ関連で、もう半分が励ましにすると、従業員は楽しめるかもしれないですが、どこか満たされない思いもあります。

従業員には認めてほしいという願いがいつもどこかにあるからです。

事業のマネタイズの仕組みを従業員に伝えることは大切です。

いろいろな研修プログラムに多額の費用をかけ、従業員のやる気を高め業績を測定するために膨大な時間と労力をつぎ込みながら、事業の仕組みを全従業員説明するのを怠ることはダメだという事です。

特に若手社員はポテンシャルにあふれています。

飲み会に参加させるよりも、身になるビジネスの勉強をさせてあげるべきです。

若い人たちにビア樽からビールを注ぐ方法を教える代わりに損益計算書の読み方を教え、オンラインコラボレーション講座を受けさせる代わりに本物の協働プロジェクトを与えれば、一生もののスキルを身に着け、生涯にわたる学習の何たるかを理解するだろう。

ポイント②:従業員にはごまかしをしない

従業員には誠実なコミュニケーションが求められます。

事業に関する問題を従業員に知らせると不安が高まりそうですが、知らせない方がずっと不安を煽ることになります。

問題はしっかりと従業員に伝えるべきです。

目標達成までの期限、成果の評価指標、そのために必要なことをできるだけ明確に説明するべきです。

また、従業員にフィードバックする時も行動に関するフィードバックを与えることです。

例えば、「あなたはぼんやりしている」のような、相手の性格描写であってはなりません。

そして、相手が改善できることではなくはならないです。

ポイント③:議論を活発にすること

Netflixでは「なぜそれが正しいと言い切れる?」や、「なぜそう信じる気になったのか、わかるように説明してくれる?」と互いに問いかけるように従業員に求められます。

専門家の弱点は、現状の制約に縛られ過ぎることです。

一方で、新鮮な目で問題をとらえられる人が、無知ゆえに制約をすり抜ける方法を見つけることがあります。

このため、いろんな従業員が議論できるような機会を与えるべきです。

少し時間をとってやり方を考え、誰かを負かすことでなく、顧客と会社にとって最高の解決策を求めることを議論の目的に設けます。

そのために、背景や状況をはっきりさせることが肝心です。

昇進、人材配置、そして円満な解雇

人事における采配の話です。

まずは、社内でやりたいことが異なる社員が出てくるときの話。

そんな時、Netflixは会社にとって重要でない職務を強く望む従業員には、社外で機会を見つけるように促します。

同時に、他者の面接を定期的に受けて、他にどんな機会があるかを見定めたほうがいいと勧めます。

そうすることで経営陣が、従業員にはどれだけ需要があるのか、どれくらい報酬を払うべきかを、より正確に知ることができます。

次に、人材配置。

柔軟なチームづくりは、従業員と会社の双方にメリットがなければなりません。

Netflixにある3つの人材管理に関する基本方針は以下です。

  • 優れた人材の採用と従業員の解雇は、主にマネージャの責任である
  • すべての職務にまずまずの人材ではなく、最適な人材を採用するように努めること
  • どんなに優れた人材でも、会社が必要とする職務にスキルが合っていないと判断すれば進んで解雇すること

優秀な人材を配置することが大切です。

これは上記にも記載した従業員のモチベーションにも繋がります。

最後に解雇。

ただの解雇じゃなくて、「円満な」解雇。

企業や個人が今日の事業環境で熾烈な競争を生き抜くには、柔軟性を保ち、未来に成功するために必要なスキルを培い、経験を身に着けることに勝る方法はありません。

受け入れがたい真実を繕ってはいけません。

部下が望まない仕事や会社に本当に必要がない職務に縛り付けても誰のためにもならいわけで、そのために解雇は必要です。

こうしたことの結果、本人だけでなくチームまでもが無力化し、やる気がそがれ、心を蝕まれます。

だから円満な解雇には失敗者と決めつけるのではなく、ただ必要な仕事に合わなくなったと真実を伝えればいいです。

最後に

Netflixの人材への向き合い方を学べました。

アメリカらしい残酷な人事なのかとも捉えられますが、成長するためには必要な戦略だと納得がいく人事でした。

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