「多動力」を読んだ後に「エッセンシャル思考」を読んだら説得力が爆上げになった話

スポンサーリンク
読書
スポンサーリンク

経緯(いきさつ)

先日の事、僕がいつものようにアホみたいな顔してamazonをネットサーフィンしていた時、kindle版の「多動力」という本が141円で売っているのを見つけた。

「多動力」の表紙は以下のような感じ。顔面力が強い。

画像は https://www.amazon.co.jp/dp/B07PWM93DN/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1 より引用。

多動力 (NewsPicks Book) (幻冬舎文庫) | 堀江 貴文 |本 | 通販 | Amazon
「多動力」の表紙

1か月で16万部以上売れたベストセラーなので見たことがある人も多いのではないだろうか。それに加えて著者はホリエモンこと堀江貴文氏である。メディアでも多く取り上げられ、SNSで度々の炎上、さらにはライブドア騒動での逮捕、実業家でその活動の幅はとても広い。知らない人の方が少ないのは明らかなほどの著名人だ。

僕はそこまで彼の事は知らないし、そこまで興味がないにも関わらず、彼の名前は僕の耳にまで届く。それはとてつもない影響力だと思う。

そんな彼の本、彼の声、彼の意見が141円で読めるならコスパ最強だと思い、購入してみた。

「多動力」について思うところ(「エッセンシャル思考」への前振り)

本書は様々なものに興味をとりあえずまずはやってみて飽きたら次に乗り移っていけばよいということをメインに推奨するという内容になっている。そして100点を目指すな、80点取れれば次に乗り移っていけと言っている。

まず、ところどころにSNS炎上や堀江氏自身に対する批判的な意見への言い訳のようなものが散りばめられているところが気になった。

例えば本書、冒頭の説である「寿司屋の修行なんて意味がない」という節ではかつて堀江氏がツイッターで「すし職人が何年も修行するのはバカ」と投稿したことが炎上したということについての弁明が書かれている。どうやら下積みや修行をやっている時間がもったいないということがここの趣旨になるらしいのだが、それなら最初からそう言えばいいと思う。

そして、正しいことは言っていると思うが、正しいとは本来自分が思っていることなので、読んでいて「なるほど」と収穫になるものではなく、「まあそうだよねー」と思うことが基本である。

現在は情報過剰の時代であり、ジャンク情報も多く転がっている。インターネットの普及の時からその問題は内在していたが、SNSの普及に伴いその問題はより顕在化してきた。

そんな中で自分の興味のあることを見つけることはとても難しい。

それを踏まえたうえで本書を読むと、ここで何故、その分野に興味を持ってみたという動機が本書には書かれていない。ただ興味のあることをやってみて飽きたら次に進めばいいと。読者はなぜ堀江氏がその分野がやりたいと思ったのかが気になるのにそれが全く書かれていない。

やってみたて飽きたら次に進めばいい。これは「まあそうだよねー」ポイントだ。

また、デキる人は質問の質が高いという話をする節がある。この節ではなぜかダメな質問の例だけ列挙してそれに対しての批判的意見が述べられているだけでいい質問の例が一つもない。ここもダメな質問の例だけ挙げられたら「まあそうだよねー」ってなってしまうポイントだ。

まとめると批判的なことは批判するし、僕個人としてもその批判に対して否定的な意見を持っているわけではないが、どう改善するかがあやふやにされてしまっている印象を受ける。

名著「エッセンシャル思考」

さて、ここで「多動力」の話は一旦、置いといて「エッセンシャル思考」の話をしたいと思う。「エッセンシャル思考」とはシリコンバレーのコンサルティング会社 This Inc.のCEO、グレッグ・マキューン氏が書いたビジネス本である。多くの人が読んでおいた方がよいビジネス本に挙げるので、ビジネス本にそこまで興味のない僕ですら耳にすることがある名著になっている。

本書の表紙は以下(画像は https://www.amazon.co.jp/dp/B00QQKCV6E/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1 を引用)

エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする | グレッグ マキューン, 高橋 璃子 |本 | 通販 | Amazon
「エッセンシャル思考」の表示

そして本書におけるエッセンシャル思考というのは「より少なく、しかしより良く」の精神に基づいている思考の事を表す。

本書ではその「より少なく、しかしより良く」を実現するために、物事の本質を見抜き、自分が本当に必要なものだけに注力することが大事だと言うことが書かれている。

勿論、そんなのはあたりまえだと思うかもしれない。しかし、それだけで終わらせないのがこの本のいいところだ。失敗事例と成功事例を対比させることで物事をあきらめることの大切さであったり、本質を見抜くことの実用性を表している。ここが「多動力」とは明らかに違うところだ。実際に勇気のいる行動というのば必要だが、その勇気ある行動でどのような事が起きるのかを説明してくれている。同時にそれは行動だけでなく、考えることへの実践につながる。

「多動力」から「エッセンシャル思考」へ

上記で「多動力」について思うところでは批判的な部分しか書かなかった。一方で、いいと思う点はいくつもある。ただ、これも「なるほど」と思わず、「まあそうだよねー」と思うだけのところだ。

例えば、「99%の会議はいらない」という節が「多動力」にはある。その節のタイトル通り、会議はいらない、その時間があれば自分の興味のあることをするべきだと言っている。僕はこれを読んで「まあそうだよねー」としか思わなかった。会議をいらないなんてことは賛同できるが、そんなの以前からずっと思っていたことだ。しかし「エッセンシャル思考」ではその会議がいらない理由(取捨選択の捨てる勇気の話)であったり、ではその時間に何をしていけばいいのかを考えることも大切だと説く。自分が向かう方向性であったりボトルネックについて考察することでやることの方針が見えてくる。

「多動力」に書かれていたが堀江氏は分単位のスケジュールが組み込まれているらしい。しかし、エッセンシャル思考的なアプローチをするのであれば、まずは自分が興味のあるものをリストアップして、その中で本当に自分に必要なものを吟味して取り組む必要がある。ここが「エッセンシャル思考」にも書かれていた取捨選択する力、つまりいらないものを見極めて捨てる力になる。その後、そのことに対してしっかり時間をとってアプローチをする必要がある。

勿論、ここにも勘違いしてしまう落とし穴というものはある。それは事前に考えすぎてやってみることをなかなか始められなくなってしまう点である。「多動力」はまず走ってみてから考えてみようというのがスタンス、「エッセンシャル思考」はまずやることに対して吟味し、取捨選択することがスタンスである印象を受けた。エッセンシャル思考のみで考えると吟味している時点で悩んで走る前にあきらめてしまう人が出てきてしまう点だ。悩んでいる時点でその選択は間違いであるというのもエッセンシャル思考的な考え方なので、その場合はすぐにその選択肢は捨てても構わないことになる。

勿論本書にはその吟味についても考察があるので興味のある方は是非読んでみてほしい。

結論

今回、2冊の本を取り上げて比較をしてみた。人生の時間は有限であり、さらに人生は短い。さらに僕らは情報過剰の時代にいる。その中で本当に自分のやることを見つけることは難しい。

そんな中で捨てる勇気、断る勇気をもって、自分のやりたいことを吟味し、的を絞って進んでいくことはとても大事になる。本質を見極めていくことを意識していかないといけないと改めて実感した。

「多動力」に関しては批判的なことは多く書いてしまったが、読んだことを後悔しているわけではない。むしろ、成功している人が世の中でいらないはずなのに行っていることに対して否定的な意見を言ってくれていることに僕は感謝や安堵を感じた。

タイトルとURLをコピーしました