はじめに
皆さんはジェイ・エイブラハムという人物を御存じでしょうか?
Forbesで全米TOP5のコンサルタントに選出されたこともあるマーケター、米国のマーケティング界隈のトップにいる人です。
実はジェイ・エイブラハム氏は高卒で職なしの状態からキャリアをスタートさせています。
そんな自身の弱いキャリアの内容も含めて書かれた本が今回取り上げる
「限界はあなたの頭の中にしかない 小さなアクションで、最大の成果を引き寄せる」
という本です。

「限界はあなたの頭の中にしかない 小さなアクションで、最大の成果を引き寄せる」
上記記載の通り、この本には筆者であるジェイ・エイブラハム氏本人の弱い部分も記載しています。
これは、アメリカではキャリアそのものを傷つける可能性があるし、クライアント保護の観点からも難しいことではあるのですが、なぜこの本を筆者が書いたからかと言うと、
日本の若者の自殺率の高さを筆者が知ったから
だそうです。
東日本大震災のあとに見せた日本人の品性の高さとは裏腹に、なぜ希望にあふれた人生を歩むはずの若者たちが、自ら命をたたねばならないのかー。そのことにたいへん心を痛めていた氏が、自分の弱点を乗り越えた過程をつぶさに語ることにより、日本の多くの人に生きる力を与えたいと願ってのことでした。
「限界はあなたの頭の中にしかない 小さなアクションで、最大の成果を引き寄せる」訳者あとがきより
今回は個人的にポイントだなと思った、氏の日本人(特に若者)に向けられたそのメッセージをまとめたいと思います。
教えのまとめ
①伝記を読もう
氏は本書で伝記を読むことをオススメしています。
その理由は、伝記の人物はビジョンを持ち続け、どんな逆境であろうが、悪運に見舞われようが、非難を受け続けようが、決して自分のゴールをあきらめなかった人だからです。
僕も日本のベンチャー企業のエッセイは好きです。
伝記のように他の第三者が書いた人生ではなく、自分で書いているからその時の気持ちなどがより鮮明に知れます。
②諦めない人になろう
諦める人とあきらめない人の違いは何なのでしょうか?
この本では諦める人は
自分を卑下して、不幸者だと思っている人
と記載されています。
一方で、諦めない人は
自分の人生をコントールできる人
です。
サッカープレイヤーのようにフィールドで戦うために自分をコントロールすることが大事です。
諦める人はフィールドに立とうとせず、たまに観客席から歓声を上げたり野次を飛ばしたりするだけです。
③消費者の心理も知らずに売り上げを語らないこと
これはビジネスのお話です。
相手の話に注意深く言葉に耳を傾けてみましょう。
そうしたら、人の話を注意深く聞き、質問を繰り返していく事で、その人の言葉にできないジレンマを見抜くことができるようになります。
の言葉にできない漠然とした不安や想いを言葉にすることで、相手から信頼を得ることができます。
ほとんどの人は、自分の独自性、価値、才能を正しく表現する方法を知りません。
仕事をする上では以下の3つを認識することがポイントになります。
- 仕事とは自分自身の「独自の価値」を他者に与えた分が、報酬として与えられる
- 人から興味を持たれたいならまず人に興味を持つこと
- 人から感動されたいならまず相手に感動すること
④自分がどんな価値を相手に与えられるかを考えよう
自分が持ち合わせているものを使って、どんな価値を周囲に届けらえるかに集中します。
いま、自分が持っているものに、自分の人生のヒントがあります。
⑤好ましくないことはバネにして前進しよう
ほとんどの人は、好ましくないことが起きると愚痴をこぼし、自分の運命を嘆き、他人に頼ろうとします。
そうではなく、ただ前進しましょう。
どんな失敗や危機、ネガティブな事態に陥ろうとも、そこで立ち止まらないことです。
経験をバネにして、それをプロペラにして前進続けることです。
⑥今のこの瞬間を大切に生きよう
人生には基本的に保証されているものがありません。
唯一保証されているのは自分自身の行動によって得たこと、楽しんだこと、学んだこと、そのものになります。
誰もが先生であり生徒で、その時の経験はその誰かと共有できているわけです。
このようなそのたびごとに起きていることが大事になります。
毎日を、今という瞬間を大切にして生きることです。
プロセスこそが人生です。
⑦人生の報酬を手に入れよう
人生の報酬は人の援助をし、問題を解決し、改善の機会を与えた、その貢献度に対する報酬です。
それが結果的に自分の安定感や幸福感の基礎を作っていきます。
時間を売って、クビにならない程度の価値しか創造できない仕事のやり方では、手元にお金が残ることはありません。
お金を目的にしている限り、決してお金持ちにはなれません。
決して数字を追い求めるのではなく、価値を提供すればするほど、結局、数字としての結果よりも良いものとなっていきます。
⑧自分の位置を明確に伝えよう
自分の位置を明確に表現できれば、競合から何倍もの差をつけて成功に至れます。
これはマーケティングの視点ですが、「この商品はあなたのためにあり、私の為ではない。他から得られないものを私から買ってください」と伝えることが大事です。
だからこそ、表面的ではなく、深く入り込んで考えることが大事になってきます。
心から感情を移入し、取引相手が何を理解し、尊敬し、どう世の中を見ているかを理解してみましょう。
⑨目的を定めよう
ビジネスにおいて最も大事なのは、そのビジネスを行う目的です。
つまり理念です。
どんなにマーケティング手法が優れていても、どんなに資本金があっても、どんなに優秀な人材を集めても、理念が間違っていれば、そのビジネスはやがて衰退していきます。
成功するためにビジネスを行っているのであれば、生涯成功することは無いですし、お金持ちになることが目的であれば、尚更無理な話です。
たとえ一時的に稼ぐことができても、それ以上のお金を失っていきます。
⑩成功するための実践論を実践してみよう
本書に書いてあった成功のための実践論は以下です。
- ビジネスに対する意識を根本的に変える
- 相手の苛立ちをビジュアル化してあげる
- より良い結果に導いてあげる
✅ビジネスに対する意識を根本的に変える
ビジネスに対する意識が一般的な商品やサービスの一般的な販売者になっている状態から、専門家としてアドバイスできる立場だという意識になっている必要があります。
それには、最大の責任を負うものとしての自覚を持たなければなりません。
自分はモノを売っているのではないという事です。
✅相手の苛立ちをビジュアル化してあげる
人は、自分の漠然とした不安や葛藤を、明確に認識できません。
夢やどうなりたいのかですらおぼろげにしか見えておらず、とるべき行動がとれずに身動きができない状態です。
なので、それを言葉にして、ビジュアル化してあげる必要があります。
彼らの苛立ちを理解し、言葉にしてあげることです。
それによって信頼を得られます。
ここで、説明が十分でないと、苛立ちが増加する場合も多いです。
✅より良い結果に導いてあげる
お客さんはモノではなくその結果を買っています。
より良い結果に導くことや、より大きな成果を得ることに焦点を当てましょう。
最後に
毎日一歩ずつでも前進すれば、昨日の自分よりは成長しているわけで、それはもう昨日の自分の限界を超えたという事に他なりませんね。